2009年8月25日火曜日

【MoL】21 The Bound Variable

Quineは言語哲学方面なんだな。それで語彙が科学系と違うのか。

  • さあ、ついに束縛変項(bound variables)だ。
  • general terms というのは、名詞句的なものでも、形容詞的なものでもなんでもと、非常に幅広いものが範疇に入るものだった。
  • ここで、複雑な構造をもつ statements についても、それがan objectに関するものであれば、the object が some general term を属性に持つというように取り扱えるようにしたい。
  • 例えば、
    (1) "Tom used to work for the man who murdered the second husband of Tom's youngest sister."

    というのは、何がTomの属性となるtermかということはすぐにはわからない。ちょっと考えてみると、

    (2) "former employee of own youngest sister's second husband's second husband's murder"

    と考えられる。英語にはもっと便利な書き振りがあって、

    (3) "who used to work for the man who murdered the second husband of his youngest sister"

    のように関係節を使うと(1)からストレートに書ける。ただしここで、'his'のcross-referenceの問題が発生している。
    whoが二つあるけどどっちを参照するのか、ということ。

    そこで、ちょっと数学くさいが、'such that'という機構を使う。

    (4) "x such that x used to work for the man who murdered the second husband of x's youngest sister"

    2つめのwhoもsuch thatに替えると、

    (5) "x such that x used to work for the man y such that y murdered the second husband of x's youngest sister"

  • このようなxやyを、bound variables と呼ぶ。
  • さて、'who'、'which'、'that'、'x such that' などをつかった関係節によって、(1)の文からa general term を分離できたのだ。書き直してみる。

    "Tom is x such that x used to work for the man y such that y murdered the second husband of x's youngest sister"

  • これでTomというobjectについて、a general term を predicate している statement になった。
  • この分離の過程にて関係節を作ることは、'Tom'というnameを消すことによって、何かが抽出(abstracted)されたのだ。
  • それは何かというと、それが a general term だ。an abstract object では無いことに注意せよ。というのは、これは an (abstract) object では無いから、あらゆるobjectsに対して true of と成りえるものである。

  • 'x such that ...x...'という構成を'{x:...x...}'と表現することにする。この表現のことを、term abstraction と呼ぶ。
  • term abstractionによって特定されたa general term のことを、an abstract と呼ぶ。

  • さて、以上の組み立てから一般的に、

    {x: ...x...}y <-> ...y...

    である(とする)。このreductionのことを、concretion (具体化?) と呼ぶ。
  • term abstraction と今までの表記をつなぐ。
    前項の簡単なケースでは次のように書いていいだろう。

    {x: x is wise} ≡ wise

    ということは、

    {x: Fx} ≡ F.
    {x: Xx}y <-> Fy.

    であるということだ。
  • さて、bound variables に関わる用語の定義を。まず、bound variables が、どこで、束縛されているかというとそれは abstract たる'{x: x is wise}'の中である。何に、束縛されているかというと、prefix たる'x:'によってである。すると'x is wise'というの範囲でみればxは束縛されていない、ここでは'x'は free であるといい。
  • また'{x: x is wise}'を an open sentence と呼ぶ。これは真にも偽にもならない。 この'x'は自然言語における代名詞の役割を果たしており、自然言語でいえば a dangling pronoun (ぶらぶら代名詞)を含むようなものである。
  • open sentences の dangling pronouns を具体的な名前(names)で置き換えたものを、 closed sentences または statements と呼ぶ。これは真偽値をとる。

  • term abstraction を使うと、今まで出てきた Boolean term schemata の異なる表現が可能になる。
    例:FG ≡ {x: Fx . Gx}. F -> G ≡ {x: Fx -> Gx}.

  • Fyというのは、yという an object に対する predication の表記であった。それを term abstraction に適用したのが、{x: ...x...}y であった。ここで、predication について、別の表記を導入する。
    y ∈ {x: ....x...} .<-> ...y...

  • 集合論との関係。集合論でも、∈ と abstract を使う。集合論では、...x... であるようなobjectsすべてを含むclassを{x:...x...}と書く。ここで定義したterm abstract は、現時点では、この集合論の考えとは無関係であることに注意せよ。
  • 現時点では、というのは、集合論を導入せねばならなくなったときには、∈ と abstract は二重の役割をもつことになる。集合論では、classes を objects とみなし、term abstraction は class abstraction の機能を担っていく。


次はついに、quantification、量化だ!

こつこつ。

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