- Quineの主張。(かなり意訳)
- ブール代数 (Boolean Algebra) は駄目だ。
- ブール論理は、ここでやったようにclassesを持ち出さなくても単なるtermsに関する論理として組み立てられるものだ。
- 集合論を持ち出してブール論理をブール代数でやるのが 'new math' の名のもとに巷では流行っているが、集合論無しでもブール論理を組み立てられるのだから、それは鉈で豆腐を切るようなものだし、集合論無しで組み立てられるというブール論理の特性を隠蔽している。
- そして、terms で組み立てた場合は、truth-functionsをそのまま使うことができて、truth-functional schemata との関係も明確である。それ自体理論の接続性からいってよいことだが、さらに副産物として、truth-functional schemata の知識がそのまま使えるし、各種技法もそのまま使える。
- 論理において、集合論が必要になるのはもっと先である。思考の経済から言っても、不要な概念を導入すべきではない。
- 集合論を初等教育で導入することが流行っているようであるが、集合論というのはかなり厄介でごついものである。
- そんな難しくて正確な理解に時間がかかるものを、たいして説明せずに、しかも必要もないのに導入するというのはおかしいのでなはないか。
- ブール代数 (Boolean Algebra) は駄目だ。
- これ、数学が集合論を基礎とした構造主義につきすすんでいる時代だから、当時は異端だったんだろうなぁ。今は、圏論も基礎になりえるということで、理解は得られるとは思うけど。
- Boolean term schemata とか Boolean existence schemata とか Boolean sentence schemata とか、見慣れないものがいろいろ出て来て理解に時間がかかっていたのだが、それをやらされていた理由がわかった。Quineは、後で種明し、というのが多いのか?
- 現在の評価としては、ブール代数は代数構造としてそれ自身の価値がある、そして、ブール論理を言語と論理の文脈でやるならBoolean logic of termsが適しているということかな。ただし、数理論理学の文脈では集合論の理解が前提になっているので、がんがん集合論でいってしまっていると。
- 思考の経済のために不要な概念は入れない、概念を絞っておいた方が理論の安全性が高い、というのは、SchemeのR5RSあたりの心持ちと似ている。
こつこつ。
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