1章は、現代英語の標準発音について。英語ネイティブな国々での発音の多様性と、リンガフランカとなった英語の多様性から入り、この本ではGA (General American)を扱うことを宣言する。なので、RP (Received Pronunciation) を目指す人は別の本を読むべき。
2章は、ちょっと面白い。つづり字と発音の関係について。13個のルールを提示しているのだ。たぶんこれはフォニックス(Phonics)とは違うはず。正直、私は初めてみた。この部分だけでも一読に値する。
3章は、音素(phoneme)。ある言語において、語の意味を区別する音声上の最小単位を音素という。例えば、bigという単語の場合、/b/、/i/、/g/が音素で、/p/、/i/、/g/とするとpig、/b/、/e/、/g/とするとbeg、/b/、/i/、/d/とするとbid、と音素を替えると意味が変わる。
「音素は話者の意識の中に存在する抽象的な単位で、実際の発話の中で現われる位置が決まって初めて発音することができる。」これは興味深い。まず、文字という表象と音声という表象の二つが自然言語にはあるわけだが、音声による表象単位である音素は、物理的音声でいうと結構多様であり、すなわち音素という概念は抽象的であるということ。そしてその抽象は文字の設計とも関係している(していた)ということであろう。この抽象が捨象として取扱う音のバリエーションを異音という。
異音の例としての日本の「ん」は、「脱・日本語なまり」で見たとおり。ここでは、英語の異音の例として[p]を取上げている。peace、speak、topmost、pool、spoon、keptにおいて"p"の物理的な音、すなわち調音は全て異なる。が、英語ネイティブはそれらをすべて"p"と認識する。
なお、音素の体系は、分析方法によって、同じ言語についても複数存在するらしい。
こつこつ。
2013年12月29日日曜日
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