2008年7月22日火曜日

【集合】第24講 順序数

一歩一歩が目標に辿りつくと信じて、こつこつ。

  • 順序数を定義する。
  • 整列集合が、順序集合として同型のとき、それらは同じ順序数を持つという。
  • 整列集合{1,2,...,n}(順序は通常の大小関係)と同型な整列集合は、順序数で言うとnである、と言う。
  • すなわち、有限順序数1, 2, ..., n, ...は、整列集合のパターンをしめすものである。
  • 空集合も整列集合とみなすとき、これの順序数を0とする。
  • 整列集合{1,2,....}の順序数をwと定義する。wを超限順序数と呼ぶ。

  • 順序数の和を定義する。
  • 順序数αとβにたいして、和α+βとは、「順序数αである集合Mと順序数βである集合Nをもってきて、MとNの直和集合(M,Nの順)について、Mの元ならNの元よりも常に小さいという順序の拡張のもとにこれに付与される順序数をα+βと呼ぶ」と定義する。
  • αとβがともに有限順序数のとき、α+βは、ふつうの数としての和に等しい。
  • これから、順序数への和の拡張は、自然な概念拡張と言える。
  • αが超限順序数wであり、βが有限順序数nでるとする。
  • すると、α+β (w+n)なる順序数は、{1,2,...,1,2,...,n}なる集合の順序数である。n+w ≠ wである。
  • 一方、β+α(n+w)なる順序数は、{1,2,...,n,1,2,...}なる集合の順序数である。n+w = w である。
  • w+n ≠ n+wである!

  • 順序数の積を定義する。
  • まず、整列集合A,Bがあるとき、その直積集合BxAに対して、辞書的順序を考える。
  • 辞書的順序において、BxAは全順序集合である。
  • また、同時に、BxAは整列集合である。 これは、(b,a)において、まずbでソートして、bが同じならばaでソートということでわかる。AもBも整列集合なのだから、BxAの任意の部分集合について、それのb軸a軸の射影は整列集合であり、さきのソートルールから最小限が存在することがわかる。
  • さて、順序数の積の定義。
  • 順序数αとβにたいして、積αβとは、「順序数αである集合Aと順序数βである集合Bをもってきて、BとAの直積集合(B,Aの順)について辞書的順序を導入したときの順序数をαβとする」と定義する。
  • 有限順序数の積は、ふつうの数の積になっている。
  • ちなみに、有限な整列集合の型は、個数(基数)だけで完全にきまる。なので、基数と序数とを一体に考えている。
  • さて、αが超限順序数wであり、βが有限順序数2であるとする。
  • すると、αβ (w2)なる順序数は、{(1,1), (1,2), ..., (1,n), ..., (2, 1), (2, 2),..., (2, n), ...}なる集合の順序数である。
  • これは順序数の和の定義を思い出すと、w+wである。ゆえに、w2 = w + w。
  • 次に、βα (2w)なる順序数は、{(1, 1), (1, 2), (2, 1), (2, 2), ..., (n, 1), (n, 2)...}なる集合の順序数である。これの順序数はw。ゆえに、2w = w。
  • よって、一般には、αβ ≠ βα。

  • 順序数の系列を考える。
  • まず、1,2,...,n,...。
  • 次は超限順序数を加える。1,2,...,n,...,w。
  • 和を考える。n+w = w なので、w+nだけ考える。すると、1,2,...,n,...,w,w+1,...,w+n,...。
  • 超限順序数の和も加える。1,2,...,n,...,w,w+1,...,w+n,...,w+w。
  • 積を考える。nw=wだから。wnだけ考える。w2=w+wだから、1,2,...,n,...,w,w+1,...,w+n,...,w2。
  • 和を考える、と繰返していくと次のとおり。
  • 1,2,...,n,...,w,w+1,...,w+n,...,w2,w2+1,...,w2+n,...,w3,...,w4,...,wk,...,ww,ww+1,...,www,...,w^4,...,w^k,...
  • ここで厳密な定義は本にはないが、順序数のベキがあるらしい。w^wというのも可算集合のある並べ方のパターンらしい。
  • すると順序数の系列は、...,w^w, ...,w^w^w, ..., w^w^w^w, ..., w^w^...^w,... と延びていく。
  • さらに、ε0 = w^w^w^... と置くと、ε0, ...,ε0^ε0,...というように系列が延びていく。
  • これら全てが、可算集合に対するある整列順序に対応している。
  • まあ、加算集合から連続体にうつるところの過酷さからすれば、加算集合の整列にこれだけのバリエーションがあるのは納得。

0 件のコメント: