- 昨日からの続き。
- そんな整列集合には次のような性質をもっている。これを基本定理という。
- 2つの整列集合(M,Nとする)の間の関係は、次の3つのうちのどれかひとつである。
- Mは、Nのとある切片と同型である。
- MとNは同型である。
- Nは、Mのとある切片と同型である。
- Mは、Nのとある切片と同型である。
- えっと、切片って何だったかというと
「Mを整列集合とする。そのとき、任意のa∈Mに対してM<a>={x|x<a}とおき、M<a>を、Mのaによる切片という。」 - そして、切片の基本的な性質は、Mを整列集合とするとき、
- Mの部分集合Sが、(b∈Sであるbにおいて、(x<b ならば x∈S))という性質をもてば、S=Mか、あるいは、あるa∈Mが存在してS=M<a>。
- M<a>とM<b>が順序集合として同型ならばa=b。
- 切片M<a>はMと同型にならない。
- Mの部分集合Sが、(b∈Sであるbにおいて、(x<b ならば x∈S))という性質をもてば、S=Mか、あるいは、あるa∈Mが存在してS=M<a>。
- こうやってみてみると、切片というのはある意味、埒外の最大元みたいなものかな。M<a>は整列集合Mの部分集合だからこれまた整列集合であるから、最小元をもつ。ところでM<a>の要素は元aより小さいものを全部集めたものだから、aは最大元みたいなものだけどM<a>自身には含まれていない。
- で、それは元に対して一意に決まる。そこで、整列集合の元aを考えたり調べたりするとき、元a自身ではなくて、M<a>を通してやるという手法がある。
- 元a自身を調べるよりもこの方が便利なことがある。というのは、aの御付きの人であるM<a>は、aに至る順序情報をもっており、単なる元aではなく「整列集合元a」のあり様が含まれているから。
- さて、これら基本を確認した上で、基本定理の証明を理解しようとする、が、全然わからない。
- そこで、自分なりに少し考える。
- あれ? この基本定理はアタリマエじゃないか?
- アタリマエか、確認してみる。
- MもNも整列集合なのだから、両者とも、どのような部分集合をとっても最小元をもつ。
- M自身N自身の最小元をそれぞれm1,n1とすると、{m1}と{n1}は同型である。ここでそれぞれの補集合をM1,N1とする。
- 続いて、M1自身N1自身の最小元をそれぞれm2,n2とすると、{m1,m2}と{n1,n2}は同型である。ここでそれぞれの補集合をM2,N2とする。
- これに超限帰納法を適用して言えるのは、"2つの整列集合があるとき、それらの中で最小元から順序にしたがってピックアップした部分集合どうしは同型である"ということ。
- そうすると、構成的に考えれば、「Mの全切片集団に対して、同型なものがNにも存在している」または「Mの切片の中で、Nには存在しないものがある」しかない。
- あり? これだめだな。
- 「切片」とか「整列集合」について、無限というものに対応できるよう概念拡張する前のものを使ってしまっている気がする。
- MもNも整列集合なのだから、両者とも、どのような部分集合をとっても最小元をもつ。
- なるほど、切片や整列集合に関する抽象化された性質だけを使って証明せねばならんのか。その観点で証明を追ってみる。
- MとNの切片の対応は次の3つの場合しかおこらない。
- (A) Mの各切片に対して、それと同型なNの切片が存在する。
- (B) Mの各切片に対して、それと同型なNの切片が存在し、逆にNの各切片に対して、それと同型なMの切片が存在する。
- (C) Mの切片で、Nのどの切片とも同型にならないものが存在する。
- (A) Mの各切片に対して、それと同型なNの切片が存在する。
- ああ、なんで証明がわからないのかわかった。そもそもこの3択にしぼってよいことが理解できないのだ。
- で、ちょっと考えてみたけど、自然数的というか上で述べたように構成的に考えてよいなら、この3つの場合しかおこらないことがいえる。しかし、概念拡張したとして構成的に考えられない状況では、この3つの場合しかおこらないかどうかは私にはわからない。
- というわけで、ここは「よくわからん」ということで後々考えることにする。
- MとNの切片の対応は次の3つの場合しかおこらない。
数学の勉強というのは、そう簡単には進まないなぁ。まあ自身での概念建築の量と質が他の分野よりも大きいからなぁ。こつこつ。
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